愛しき哉、一期一会


初夏の夕暮れ、草いきれのにおい、、、

何故だか妙に 懐かしく思ったり




先ごろ、ふたつの出逢いがありまして・・・


ひとつは かれこれ十年近く切望していた『Les Femmes Aux Cigarettes(女と煙草)』、

”最も偉大なアマチュア写真家”と称されたラルティーグによる撮りおろしは、 
1920年代末、煙草を吸うマドモアゼルやマダムのみ写された写真集

第一次大戦後、社会進出し 自立した女性の象徴:シガレット・・・
被写体となった有名無名の舞台女優や踊り子たちの、開放感や神秘に満ちた表情ったら!


女性が煙草を吸う姿をセクシャルなもののとらえた時代の馨りが ムンと漂ふやふ


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◆ラルティーグ◆
フランスの裕福な家庭に生まれたジャック=アンリ・ラルティーグ (1894-1986) が父親からカメラを与えられたのは、7歳の時・・・
幸せな瞬間がすぐに目の前から消え去ってしまうのを幼いころから恐れていたラルティーグは、
そうした瞬間を残していけるカメラという新しい“魔法の機械”に夢中になり、生活のあらゆることを写真におさめました
なかでも、スポーツやジャンプ、自動車、飛行機といった様々な動きをとらえることへのひときわ高い関心や、
心霊写真のような写真ならではの表現へのあくなき探求心は、ユニークで鋭い視点の作品を生み出しました
(埼玉県立近代美術館 HPより一部抜粋)




◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇



もうひとつは、、、

当店史上、色々な意味でおそらく最もスケールの大きなドレス
トレーンぞろ引く、神々しい全身像は 一枚にはとっても収まりきれません!!



元来は、とあるお客様のオーダーにより知人が買い付けたものの、
ちょっぴりお体の寸法が大きくなり、泣く泣くキャンセル・・・その後お蔵入りしていたとのこと


さほど古いものではなけれど、きっとステージ衣装等の類いとして作られたものでせふ

先程の『Les Femmes Aux Cigarettes』の中では、舞台女優のマダムが着ていそうな・・・

浮世から遊離した、セ・マニフィーク(お見事)!なドレス


素敵な貴女様に、もしくはふくよかな寸法からしてドラアグクイーンの貴方も 如何?


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胸から腰にかけて、びっしりと縫い付けられた金糸やビーズにスパン・・・
舶来の珍しい格子チュール生地にはカラーストーンが散りばめられ、
膝下からのびる箔プリント地の裾からは紅いトレーンがどこまでも長く広がる

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四十路近くなりますと、全ては必然かもしれぬと考えるやふになりました

出逢ふべき人やものとは、遅かれ早かれ 導かれて巡り合うもの



嬉しきご縁も、切ないお別れも・・・

気の遠くなるやふに永い宇宙の営みの中ではほんの一瞬、

だからこそ、愛しき哉・・・ 一期一会!


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ドラスティックな世界


ジリジリと照りつける日差し、、、

嗚呼、手の届くそこまで夏はやってきております


◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆



年明けの春夏コレクシヨンで、興味深いニュースが目をひきました


「ウェディングドレスの女王」との異名を持ち、ターバン帽がトレードマーク・・・
と申せば 皆様お馴染みのデザイナー:桂由美さん でありますが、


「現代ファッションに友禅の美を」をテーマにパリコレを始めて6度目の今年、

テーマは な、な、ナント… 「若冲を着よう」!!

生誕300周年の昨年、未曽有のブームを呼んだ奇才:伊藤若冲から着想を得、
若冲作品を鑑賞するだけでなく、「着よう」と呼びかけることにしました、とのこと


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”江戸奇才のひとり”と呼ばれ、近年急激に評価が高まった若冲・・・

「余白の美」や侘び・さび、といった日本の伝統的な美意識はどこへやら、
目一杯びっしりと描かれた猫や鶏図に度肝を抜かれた方も多いことでせふ


曼荼羅絵のやふに、毒々しくシュールな世界観は江戸に宇宙人が降り立ったやふ!

斬新な構図、緻密なのにどこか現実離れした画風は 時空を越え大衝撃を与えました



では、ドレスの女王が手がけた”若冲”は如何に・・・!?
お時間許す方は、大画面にてじっくりと ・・・めくるめく混沌世界をご覧下さい





いまや、正統派のウェディングデザイナーといった印象の強い桂由美さん・・・

和装で神前式が当然の1964年より、日本初のブライダルファッションデザイナーに、
その時点で 彼女も十分にトンだ感性や先見の明をお持ちだったのか否か


”ブライダルと言えば桂由美”、そんなバブル期を経、洋装結婚が一般化した今、、、
彼女は原点である日本の美を世界に広めようとしている・・・ 興味深い現象です



さて、今宵は 桂由美デザインを含む、ドラスティックなフォーマルドレスのご紹介


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朱赤のシャンタン地がモダン日本、桂由美によるフォーマルドレス
牡丹柄の総ビーズバッグは、どこか若冲画のダイナミックさを髣髴とさせて




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大胆な薔薇が衝撃的なドレスは、1950年代と80年代の時代の勢いを感じさせマス
柄のもつ力強さ、光沢を抑えることで生まれるエレガンスを堪能できるドレス!
赤花プリントドレスの詳細はコチラ・・・






思えば、ユミカツラの代名詞:ターバンはまさに かつての東洋趣味の象徴、、、


ドラスティック…  ”劇的な”世界を投影したかのやふな、

東洋と西洋、いにしえとハイテク現代が混在するカオスさが 「今」なのかもしれません


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チャーミングなひと



満開に咲いたと思えば刹那に散る、

そんな桜を儚いと感じるか、潔いと感じるか・・・


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皆様もご存知、浅田真央さんの引退が報じられましたネ


懐かしい言い回しでたとえるなら、「一億総国民の妹」といったところでせふか
スケートファンならずともつい応援したくなる、彼女のひたむきさに心打たれました


予断ですが・・・ そんな彼女、人相学から見て最高のお顔立ちだと聞きました

大きな福耳は名声、丸く豊かな額や頬は聡明さや明朗さ、広いまぶたは安心感を・・・

困難あれど周囲の引き立てもあり花咲かせる、といふ強運の顔相だとのこと



お顔といふものは、環境や本人の生き方により変化していくものではありますが、

個人的には、真央さんには「チャーミング」といふ言葉がぴったりだ、と思うのです


負けず嫌いで完璧主義者な反面、喜怒哀楽の感情がわかりやすい天真爛漫さ・・・
大好きなことに向き合い、自分と戦いつつ孤独に怯える姿 達成したときの涙、

孤高の存在ながら、くるくる変わる愛嬌に満ちた表情が世界を虜にしたのでせふか


時はまさしく四月、 月並みながら 人生の新しきペエジを開いた真央さんに幸あれ!



☆   ★   ☆   ★   ☆   ★



花びらの下にははや、新芽が今か今かと顔を出しております

そんな青葉の季節におあつらえむけな、プリントのワンピイスのご紹介・・・

時代を経てもなお、胸をときめかせる柄たちの競演をご覧あれ!




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戦後のハンドメイド、リボンに水玉がボンシックなワンピイス
変わり丸襟にローウェスト、格別な一枚には朱赤の紅さす位が小粋
1950~60年代リボン柄ワンピイスの詳細はコチラ・・・




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かつての東映:新進女優を髣髴とさせるやふな清楚さ・・・!
水玉の織りにモダンな花柄が浮かび、レエスの付け襟は春風を呼ぶ
水玉織り×花柄ワンピイスの詳細はコチラ・・・
1970'sエニッド・コリンズバッグの詳細はコチラ・・・




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戦前の名子役:シャーリー・テンプル嬢を思わせる愛くるしさアリ
あえて奇才:サンローランの黒赤ストラップ靴で毒っ気を足したり・・・
1950~60年代バイアス花柄ワンピイスの詳細はコチラ・・・







煙草を吸っても、少しくらい毒を吐いても、髪を桃色に染めていても、、、

チャーミングなひとって、老若男女問わずチャーミングなんですネ


自然とチャーム(魅力)を放つ存在・・・ 

それは、愛嬌の中に謙虚な心を秘めていて、、、

自分にも 好きなことにも真正直なひとかしら、なんて思ったり



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東と西の出逢った頃



暫しご無沙汰しているうちに、すっかり桜列島と相成りました

この調子では、一気に初夏の気配がして参りさふです・・・




駆け足気味ではありますが、先日まで故郷へ里帰りしておりました際、

偶然にも東洋西洋のアートに触れる機会が御座いました


そのひとつがこちら、名古屋三越で催されていた巡回展・・・

『池田重子コレクション ~日本のおしゃれ展~ 』 であります



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1925年、我が国が大正浪漫に染まった頃に生を受けた重子さん・・・

裕福な家庭に育ち、幼少より月一度の歌舞伎観覧などにより培われた審美眼にて、
明治から大正~昭和初期までの、 着物の黄金時代に職人により生み出された 
着物、帯、帯留、 半衿など、一万点以上にも及ぶ一大コレクションをつくりあげます


歌舞伎や和のしきたりなど日本文化に精通する彼女ならではの美意識・・・
それは人々の心をとらえ、現在に続く「昔きもの」ブウムの先駆けとなりました

2015年10月にご逝去された彼女を偲び(享年89歳)、
「日本のおしゃれとは何たるか」・・・最後のメッセージを伝える展示が企画されたとのこと




会場を埋め尽くす 一張羅の着物に身を包む人、人また人・・・

ため息混じりに飛び交うは、「嗚呼・・・粋ですネエ」といった感嘆の声々

 
究極の職人技で産まれた贅沢な着物や帯、小物は各々勿論素晴らしいのですが、

重子さん独自の組み合わせにより  そこに新しい物語性や季節の美が紡ぎ出され・・・

こんな美しい国に生まれたのか、と目から鱗の落ちる思いでありました!



◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇



またある日、馴染みの古本屋にて出逢いしは 『アール・デコのファッションブック』・・・


1912~14年までのフランスのモオド冊子に寄せられた手彩色の挿絵集を復刻したもの

当時を代表する人気挿絵画家のジョルジュ・バルビエやブルネレスキらによる鮮やかな世界!

アール・ヌーヴォーからデコへの移行期・・・ジャポニスムやシノワズリといった東洋文化が、

いかに西洋の人々にとって斬新で衝撃的なものであったのかが手に取るように伝わります



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ちょうど1800年代末から1900年代はじめは、東洋と西洋文化が出逢った頃・・・

欧州の富裕層の間では扇子やキモノガウン、和傘が流行したり

我が国ではダリアや薔薇など洋花柄の着物に洋髪が登場したりと、

互いに強い影響下のもとにあった東西の魅力を融合させた、新しい文化が誕生します



今宵は、戦後の我が国において 手先の器用さにより生み出された工芸品をご紹介・・・

こんもりと盛り上がったビイズの放つ輝きは、戦後復興の光をも思わせる職人芸であります



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大輪のダリアでせふか、二色の対比と構図が若冲の浮世絵の如き迫力
紳士曰く「和彫りの刺青みたい」、ウウム・・・殿方の審美眼は中々面白きかな




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こちらも洋花の牡丹か、持ち手にまで百花繚乱に咲き乱れております
花弁や葉が浮き上がるやふ3Dに縫いとめる技術は、熟練職人のなせる技!




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老舗かばん店:居東屋の名に恥じぬ、細かい細かいビーズ手刺繍・・・
ころんと丸いがま口は、時代や世代を超えてこの先も愛されてゆくことでせふ






たとえ手に入れられるかどうかは別として・・・

若き頃から素晴らしいものを見聴きすることは何よりの財産ではないでせふか

潜在意識の中に年輪のやふに層を成した記憶のかけらたちが、

ジワリと滲み出るやふな・・・ そんな歳の重ね方をしてゆきたいこの頃



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Life is ・・・?


東京では、一足早く桜の開花宣言が・・・

なんだかソワソワして参ります



ソワソワと言えば、多数の新作映画の封切も間近、、、

近年、欧米のみならず我が国でも、戦前の時代を扱ったキネマが増加しております

郷愁を求める風潮が、世の中の空気感に漂っているのでせふか



☆  ★   ☆   ★   ☆   ★   ☆



”ロマンティックコメディーの帝王” ウディ・アレンも、時代ものを多数輩出したひとり・・・

次回作『Cafe Society』も、1930年代ハリウッドの黄金期をベースにしたもので、

シャネルが衣装協力したことでも話題をさらっております


・・・・・・・『Cafe Society』・・・・・・・ 公式HPより
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ウディが1920~40年代ものを得意とするのは、彼の生い立ちに深く起因するようで・・・


ナチスドイツの迫害から逃れてきたユダヤ系親類との賑やかで奇妙な共同生活を送った幼少期、

生粋のニューヨーカーなれど、血筋ゆえどこか俯瞰の眼差しから見つめた夢の国:アメリカ・・・

ユダヤ人差別とそれに由来するコンプレックスや自己意識が、喜劇の中に織り込まれているやふ


本国アメリカより他国で評価が高いにも関わらず、有名俳優女優がこぞって出演を熱望する・・・

ハッピーエンドが全てではない、そんな作風にもシュールな彼の人生観が滲み出ています



『カイロの紫の薔薇』はじめ『ブロードウェイと銃弾』『ラジオ・デイズ』『ギター弾きの恋』『マジック・イン・ムーンライト』
ウディの思春期を彩った、戦前のゴールデン・エイジの表と裏を扱うキネマは数知れず・・・

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『華麗なるギャッツビー』 『愛の嵐』 『ゴッド・ファーザー』 『俺達に明日はない』 、、、

ウディ作品以外にも、ジャズエイジやギャング、ナチスドイツをモチーフにしたキネマ群が

続々と公開された1970~80年代、アールデコ期のリバイバルムウドは最高潮に達します

時まさにヴェトナム戦争只中の混迷期・・・ 暗い世相であったジャズエイジと重ねてか、

そのうねりは当時のモオドに即反映され・・・20~30年代風シルエットが巷を席巻しました



今宵は、そんなリバイバルムウブメントに沸いた頃の熱気が伝わるやふなドレスを・・・

アールデコの当時ものには手が出ないし、扱いが難しそう・・・といった方にもどうぞ!



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縮緬レイヨン地の小花柄は、どことなくジャポニスムも感じさせて・・・
二段ラッフル袖にローウエストV切替え等、1930年代初期の空気感が再現されています
小花柄ローウエストドレスの詳細はコチラ・・・



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ふわりと風はらむケープ襟が特徴的、Cacharelの1970年代もの
バイアスカットにバルーン袖・・・流線型のエレガントなシルエットは現代でも色褪せず
Cacharelケープ襟ドレスの詳細はコチラ・・・





「Life is ・・・」といった台詞は、キネマの中でよく用いられます

その一言には、監督の死生観が込められているからでせふ

有名なものは、ライザ・ミネリが『キャバレー(1972)』劇中で唄った「Life is a cabalet」、でせふか

また、次回作でウディは主人公に「人生はコメディーみたいなもんだ」と言わせるとか・・・



さて、アナタにとって 人生とは、、、???


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