仏蘭西珍道中記 ~色香は馨りから 篇~



さて、今宵からは本来の仏蘭西道中記の後半部に戻ることと致しませふ・・・


 
わたくしがいつの日か素敵な鏡台を手に入れましたら 少しずつ集めてみたい物… それは古い香水瓶でして、

何故に古き香水瓶に惹かれるのかと申しますと、一言で申すのは難しいので御座います

その魅力のうち、香水瓶の持つ女性的な形状であったり、ラベルの美しさであったりは勿論のことですが、

ゆるゆるとした気泡入りの色付き硝子など 硝子そのものの美しさが際立っていることがまず挙げられませふ



当世の香水の中には、プラスティック等に詰められているお手頃な物も御座いますけれど、

かつてはルネ・ラリックにバカラ等、名工たちの手による芸術的な美しい硝子瓶に詰められた時代もありました

当時最先端の電話に模したゲラン製のもの、蝋燭に模したスキャパレリのものなど遊び心溢れる香水瓶もあり、

箱などパッケイジも含めて世界観を作り上げているその様は、見るものを魅了して止みません



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さて、そんなわたくしがこの度 密かに訪れたいと願っていたのが 「Belle de Jour」… 

モンマルトルの丘を少し下った通り沿いに佇む 古い香水・化粧瓶や復刻の香水瓶を扱ふ専門店であります


一歩足を踏み入れますと、ナントマア… えもいわれぬ妖しき馨りを放つ香水瓶の数々、、、

勿論、中の香水は入っていないものが殆どでせふけれど、思い出しても匂い立つやふな圧巻の光景で御座いました


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思わず店主の紳士に撮影の許可を得たものの、興奮のあまり少々記憶が定かではありませんでして、

うわ言の如く「あれも素敵」だの「これが欲しい」だの申しながら店内を夢心地に徘徊致していたやふに思います


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いにしへの高貴な女性たちは、かやふな装身具を用いながら 鏡の中で変わりゆく我が身に見とれたのでせふか…

たかが香水等の「入れ物」としてでなく 中身を凌駕するほどの強烈なる魔力を放つ個性がそこには御座いました


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またある日は、オペラ座に程近い 小さな「香水博物館」にも参りました

人の能力超える嗅覚を持ち、馨りに異常なる執着を持つ男の衝撃的な物語『Perfume』の中にも登場するやふな、

中世からの伝統的な香水の抽出に用いられる器具や 珍しき香水瓶などもそちらには展示されています



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それにしても、何故人は目から得られる視覚などにもまして 目に見えない「馨り」に心奪われるのでありませふか


香料の歴史は古代エジプト王朝期、クレオパトラが熱愛したといわれる調合香料「キフィ」にまで遡ると言われ、

古代から香りは上流階級の嗜みでもあり、また宗教儀式的な意味合いもあったとのこと・・・

それが「香水」として大々的に製造され始めたのが18世紀位から、そこには欧州人の独特の美意識がありました


欧州人が所謂「ローマ風呂」等の公衆浴場を利用したのは14世紀頃までであったさふでして、

16世紀頃には人前で裸になるのは野蛮なこととされ 梅毒などの病の元としても風呂に入る習慣は次第に廃れます

ことに仏蘭西では 国王自身も年に三度しか入浴しなかったといふ記録もあるさふですから、

貴賎に老若男女問わず多少なりとも匂いを放つゆへ、必然的に貴族たちは香水を求めたといふことであります

中でも、原料栽培に適した温暖な気候により香水産業の中心地となった南仏グラースは元来革なめし産業の地、

なめしの際の臭いを消すために香水産業も生まれた といふ側面もあるやふです



もっとも、欧州は空気も乾燥し湿度が低いことから、元来亜細亜ほど入浴の必要が無かったとも言われます

現に、仏蘭西に住む妹は 友人たちは週に2~3回しかシャワーを浴びない人が殆どよ、と申しておりました

また、無臭をよしとする亜細亜に対し 各々が元来持つ「体臭」にエロスを感じる欧州文化との嗜好の違いもあり、

その体臭にさらに個性を足す物として 香水は近代欧州で発達したといふから納得いたします




当世でこそ、所謂コレクシヨン・ブランドが香水を発表するといふのは定番化しておりますけれど、

服飾業界から初香水を出したのは これまた歴史上初のクチュリエといわれるシャルル・フレデリック・ウォルト

英吉利から巴里に移り、自分のクチュールを成功させた彼は1885年、ルネ・ラリックに瓶のデザインを依頼し

Dans La Nuitという香水を発売… 服飾だけでなく 香水業界においても成功を得ます

これによって、次世代ポール・ポワレや さらに次世代ココ・シャネルにスキャパレリ、ディオールはじめ、

クチュリエたちは、成功するとこぞってブランドの「顔」として香水も皆発売するようになってゆきました

今や香水産業は化粧品業界よりもファッション・ブランドで繁栄しているのは、こうした伝統ゆへのことださふ
「Verita」 HP等より一部参照致させて頂きました




さて、、、長くなりましたが 今宵も漂わせています近年わたくし愛用の香水は「ココ・マドモアゼル」・・・

いつの日か、ゲランなど大人の馨りも纏ってみたい といふ憧れはあるのですけれど、

巴里の街角でも未だに「マダム」でなく「マドモアゼル」と呼ばれる今のお転婆?なわたくしには 

瑞々しい中にも大人への憧憬を感じさせる 少女と熟成した女性の間のやふなこの甘い馨りが合っているやふです








次回催しのお誘いもご覧くださいませ…

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