退廃なる馨り



貴方や貴女は、1970年代の奇跡を知っておられませふか、、、!

1970年・・・あの年、大阪では6421万8770人の日本人と外国人が、万国博覧会という名のクレイジーな祭典につどっていた。
ロンドンではビートルズが解散し、ジミ・ヘンドリックスが吐瀉物を喉に詰まらせ、
ロサンゼルスのモーテルでジャニス・ジョプリンがヘロインに溺れ、
東京では三島由紀夫が腹を切り、光化学スモッグがはじめて人を襲い、
よど号がハイジャックされて、「我々は明日のジョーである」と機内で宣言した自称革命家たちが、北朝鮮に飛んでいった。
たった一年前に、ウッドストックに集まった40万人の若者が信じた愛と平和の世界は、
あっというまにどこかに消え去っていた。
夢から覚めたヒッピーたちは、絞り染めのTシャツと穴だらけのジーンズとサンダルを脱ぎ捨てていた。

こういう時代に生まれたファッションがあった(中略)・・・
70年代ルックというものがあったとしたら、それはパリコレのデザイナーでもなく、
サンフランシスコのヒッピーでもなく、ロンドンのビバが作り出したものだった。
ビバはイラストレーターとしてヴォーグなどの一流ファッション誌で働いていたバーバラ・フラニッキが、
夫と二人で始めたブランドだった。なれもしない上流階級のために、
買えもしないドレスの記事を作るのに嫌気がさした彼女は、1963年に通信販売の洋服屋を開業する(中略)・・・
こうしてビバの時代が始まった。ケンジントンに小さな店を出し、すぐに大きな店に移り、
73年にはついに巨大なデパートを買収、建物丸ごとをビバ・ワールドに変身させる。
オートクチュールに対抗しつつも、ヒッピー的なカジュアルさを嫌悪したビバが目指したのは、
アール・デコの時代に代表されるクラシカル・エレガンスだった。
からだを細く優美に見せる、柔らかな曲線のドレス。
誇張されたアイライン。ダークブラウンの唇。ラファエル前派のような巻き髪。
能天気なラブ&ピースではなく、ロマンティシズムをビバは世界に振りまいたのだ・・・
短期間に大きくなりすぎたビバは結局、75年に店を閉じる。
それはビジネスというよりも、
それはあまりに「ビバ的」な、ロマンティックでデカダントな冒険だったのかもしれない・・・  
「1970年の奇跡」都築響一氏の文より一部抜粋



biba2_320.jpg


先述の「すたゐる」のやふにヒッピイ気取りで居た若かりし我が瞳に、衝撃と共に飛び込んできたのは

さふ、、、退廃とデカダンの馨りが妖しくも魅惑的に映る『BIBA』の世界観でありました

ここが、わたくしの「モガすたゐる」の大河に繋がるうちの一滴、といふことも出来るでせふ


当時は、様々な雑誌からヴィンテイジやアンティーク記事のみ切り取っては年代や嗜好毎に選り分け、

わたくしだけの『古いもの手帖』的な帳面を作っては貯め、時折引っ張り出しては空想に耽っておりました

紳士の白い目が気になりつつも、大量の手帖は引越しの度に共に移動 今でも時折眺めるのですけれど、

不思議なことに、何度見ても色褪せない魔力で胸を熱くさせるペエジのひとつが『BIBA』であります


biba20sk7_320.jpg


金と黒のアール・デコ様式内装、壁紙まで豹柄だったといふ73年の店は地上5階地下一階のデパアト、

ショウウィンドウにはソファアがあって通行人に向かってポオズを取りながら座れたこと、

屋上庭園にはフラミンゴ、食料品に子供服や化粧品までも売り、生活様式を全て『BIBA』尽くしに出来たこと

お店が処分したいものを乗せる「万引き台」なるものまでが密かにあったとかなかったとかいふ、、、


数々の伝説を残しながら、僅か十年余りで幕引きをした幻の『BIBA』、

しかしながら70年代といふ混乱期に強烈で華麗なる衝撃を残し、アール・デコの時代に再評価を与へ、

何より美しくも毒気のある「退廃の馨り」を世の女子に知らしめた功績は永く語り継がれることでせふ



さても、当世のデパアトに 化粧品メイカアに 洋服メイカアに… 

かくも贅沢に趣向凝らした装飾を施す お目出度くも洒落た企業が御座いましたら皆様、是非教えて頂きたい

既に大量生産消費の真っ只中の70年代において 量産ながらも心に訴える独自性を持っていたからこそ

『BIBA』の魅力は世の中が3Dとならふが4Dとならふが 心のまなこに鮮やかに映るのではありますまいか 






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