仏蘭西珍道中記 ~蚤の市での出逢ひ篇~



さて、珍道中記第二幕の今宵は ~蚤の市での出逢い篇~ と参りませふ、、、



買い付けにおける何よりの愉しみは、土日を中心にあちこちで行われる大小の蚤の市巡りでありまして、

整然と並べられた路面店と違い、用途不明のガラクタや片方しかない靴に手袋から ナポレオン期の年代ものまで

玉石混交、渾然一体の世界がそこには繰り広げられ、一日回れば永年のススで手が黒くなるのもまた、ご愛嬌…

骨董商ばかりの厳かなる市もあれば、幼稚園のバザーのような市、古切手や硬貨を扱ふ市など種種あれど、

真珠家好みは、玄人に素人さんが混ざった蚤の市であります・・・


何故って? 玄人のみの骨董市は、良い物が一同に揃ふ確立は高いのですけれどその分掘り出し物はしごく稀で、

逆に素人さん中心の市では古い物が揃ふ確立は低けれど 元の持主から品に纏わる物語を直接伺えることもあり、

思い入れのある品を如何に手放すかに至ったかを、互いに拙き英語交じりでやり取りするのは愉しいものです


「セ・コンビアン?(おいくら?)」「モアン・シェー・シルブプレ(お安くなりません?)」「メルシ(有難ふ)」

この三語がありましたら、同じ人間同士・・・あとはほぼ身振り手振りでどうにかなるものであります

しかし、人間たるもの相性はあるもので、、好みが近い方のところではまとめて買い付けられることもしばしば、

逆にそりが合わないと、稀に「ジャップ!」的蔑称を吐き掛けられたり 「売らない!」と品物を投げる店主も…

かやふな時小心者のわたくしは直ぐ眉尻が下がり半べそになるのですが、そこは穏やかながら血気盛んな紳士、

欲しければ店主に喰ってかかってでも交渉し買い取りますし、いらなければ踵を返してさっさと退散、、、

その根性を見習いたひやふな気もすれど、得てしてお互い意地の張り合いになっているだけのこともしばしば…

また、価格交渉していると横から「じゃその値で私買う!」と横取りされることも間々あり、文化の違いに唖然


言葉が通じなくとも価格交渉のコツは笑顔とあと一つ、、、

さふ!男性店主には女性 女性店主には男性が挑むと 相手の心も緩むのは万国共通なようで御座いますが

そこはアムール(愛)の国ですので形は様々…相手が同性愛者であるやふならば臨機応変にお願い致したふ存じます

ともあれ、多くの店主は議論好きな仏蘭西の国民性通り お喋りで親切で、少し照れ屋の素敵な方々であります


但し、市の隅で如何にも不法出店しているならず物の店では、法外な価格を付けていることも多いのでご注意を…

こちら、仏蘭西海軍帽がどうしても飾りたかったらしき、穏やかなる日曜昼下がりの典型的な蚤の市の風景


110626_000141~00_400_400


運命と言へば大袈裟か、当世の衣類に紛れても、時に遠くからでも輝きを放ち惹きつけらるるものはあるもので、

この度も個人的に思い入れのある逸品に出逢いましたので、うちいくつかをご紹介させて頂きたく候・・・


先ずはこちらの可愛娘ちゃん、、如何にも40年代後半以降のものと思われるワンピイスであります

わたくしと年端も近い娘さんが祖母のものだと仰っておりましたので、まさに戦後あたりに手作りされたのでせふ

第二次大戦後、戦勝国でありながら永く占領されていたことによる国内の疲弊・惨状から復興に時間要した仏蘭西

従って、戦後景気に湧いた米国の華やかな50年代と違い、仏蘭西の同年代物は豪奢さには欠けれどその分シック!

小さき花バスケット柄に必要以上に飾られた釦… 御洒落の出来る時代になったお婆ちゃまの青春が伝わるやふ


DSCF4188_400.jpg


お次は、灼熱の炎天下で真珠家が体力と判断力を奪われ朦朧とする中、まさに引き寄せられたこちら、、、 

近頃は、本場米国でも稀少デザインはめっきり見かけなくなったこちら、メキシコ製ウエスタンブーツであります

何でも数年前に流行歌手のブリトニー嬢が履いて以来、ヴィンテイジウエスタンブーツは価格が急高騰したさふな

思い入れのある品だけれど、今日の市はにわか雨が多いし…と気さくなマダムが言い値でお譲り下さいました 


DSCF4214_400.jpg


続きましてはこちら、おそらく20~30年代のものと思われる手作りの綿のブラウスでありまして、

糸のくるみ釦に鳩目レエスが何とも涼しげで、短き欧州の夏を愉しもうとする古の人々の粋さが伝わります

セミプロであらふ雰囲気あるアベックから譲り受けたもので、紳士はこちらで燕尾服3ピースも買い付け


DSCF4199_400.jpg


去り際、日中戦争に向け高揚していた頃の祖国を報道した往時の珍しき冊子を見つけ、お値段を伺うと・・・

わたくしをジャポネーズ(日本人)と知った彼は、では持ってお行きとばかり 袋に入れ笑顔で渡して下さいました

中身は仏蘭西語であれど、おそらく大和魂とは何ぞやを日本の文化・風土に基づき分析している様子で興味深し

なお、こちらは私物となりましたので アシカラズ、、、





亜細亜民族より、古から骨董に目を向け価値を見出し また永く歴史の中で人々の日常に根付いている西欧州…

蚤の市はごく身近なものであり、賑わいは良き物を賢く格安で手に入れ得る場である旨を老若男女が知っている証

とはいへ巴里でさへ、わたくし共のやふに出で立ちからして好きな年代もので固める方は珍しいやふで、

あちこちでキャメラを向けられる始末・・・ その中、やはり時折同じ匂いを持つ同好家を見つけると嬉しきもの

40~50年代のすたいるで蚤の市に佇む姿が余りにも可愛らしく、思わずお声を賭け パシャリ!!

数日後、マレ地区の小粋な古着屋さん「マドモアゼル・スウィング」にて偶然またお二人とばったり再会・・・

ナントマア、右の方はそちらの女店主さんでアリマシタ、、、 巴里広しといへど、案外狭きものなる哉


とまあ、此処に全ては綴れませんが 心のアルバムは日々素晴らしき哉出逢いで厚くなっていくのでアリマシタ


110621_192309_400.jpg


パールHPへようこそ
Pearl

スポンサーサイト

Comments

お帰りなさいまし~

あああ!マネキンが被ってる海軍帽!!
あんなん欲しいっっ!!

素敵な品々をパリからたくさん連れ帰ったご様子。
近々、伺うのが楽しみですわ。
  • 2011.07.12 08:31/
  • HACHI URL/
  • 編集

帰還いたしました・・・

こちらこそ、毎度人目をひく姐さまが今回はどんな出で立ちで登場なさるか、、、
今から待ち遠しい次第でありますわ!!

古き海軍帽・・・ 仏蘭西国民にとっても大事なものなのでせふ、、
非売であったり高額なお値段であることも多く… 
真珠には残念ながら迎え入れる事が叶いませんでしたが、確かに姐さま似合いさふ!
御逢いできる日を愉しみに致しております。

 
  • 2011.07.12 18:39/
  • 真珠婦人 URL/
  • 編集

コメントの投稿


非公開コメント

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

Pearlマダム&ムシュウ

Author:Pearlマダム&ムシュウ

福岡に御座います、フランス中心の
ヴィンテージ・アンティークショップ
Pearlのマダム&ムシュウによる
日々の戯れ言を綴った日記です

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
未分類 (2)
戯れ言 (130)
お品 (192)
食卓 (8)
催し (41)
嗜好 (39)
皆様へ (65)
真珠夜會 (6)




検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
このブログをリンクに追加する
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
ブログランキング・にほんブログ村へ
Pagetop