仏蘭西珍道中記 ~巴里祭~



仏蘭西におきまして、本日7月14日(Quatorze Juillet)は革命記念日・・・

そこで今宵は少々珍道中記から離れ、同名の映画『Quatorze Juillet(1932)』について触れてみたく存じます



そもそも1789年同日に発生し仏蘭西革命の発端となったバスチーユ監獄襲撃および、この事件の一周年を記念し

翌年1790年におこなわれた建国記念日が起源となっている革命記念日であり 国民の祝日、、、

架空物語なれど『ベルサイユの薔薇』に親しんだ方にはお馴染み、民衆による王政への蜂起でありますね



さて、同名の題を冠します『Quatorze Juillet』・・・

戦前の我が国に多大なる影響を与え、日本人に巴里はじめ仏蘭西のイメエジを決定的に植えつけたともいわれ

こんにち想像する花の都:巴里は、監督である巨匠ルネ・クレールが生み出したと言っても過言ではありますまい

1933年に日本公開されるやいなや、主題歌は『巴里恋しや』と訳され大ヒット、

邦題の『巴里祭』に至っては 暫し○○祭、と銘打つ宣伝がちまたに溢れたとか

ここらで、当の主題歌をお送りいたしませふ、、、





  巴里の下町では その日その日の太陽が
  いくつかの運命に 恋の夢を開かせる
  群集の中の一人の 20才の娘に恋が芽生えた
  彼女にとってあらゆるものが変わってしまい すべてが春の色になった
  巴里に朝が来ると 巴里の下町では
  20才ともなれば 夢を見る すべては恋の色

  二人は同じ界隈に住んでいた 通りも同じ、中庭も共同
  彼は彼女に会うと微笑んだ 彼女は彼女で密かに彼を愛していた
  でも、ある時ベーゼが彼等を結び付け 彼女は空の彼方に
  限りない希望を見出したと思った

  今や幸せな日々は跡形もなく
  全ては闇の色 しかし20才の時は希望に輝き
  未来が過ぎ去ったことを拭い去ってしまう
  巴里に宵が訪れるや 巴里の下町では
  熱い心が いつまでも恋の夢を見続ける



物語はと言ふと、革命記念日前日を皮切りに始まる 若き男女の他愛もない恋のさやあてであります

しかし、何気なき下町の庶民の暮らしをかくも御洒落に写されては、当時の日本人の熱狂も無理はありませぬ

そして何より主演のアナベラの可憐なこと! わたくしが殿方であったなら一目で恋に落ちることでせふ…





世界が恋焦がれる往時の巴里、、されどその空の下では豊かならざる人々も多く 

その殆どは小さきアパルトマンに身を寄せ、それでも幸せを探し慎ましくも健気に生きていた・・・


同監督の『巴里の屋根の下(1930)』にもかやふな物語設定は垣間見られます

ハリウッド映画のやふに大事件が起き拳銃がぶっ放されるわけでも 豪華客船が沈没するわけでもない…

都会に住む庶民の何気ない日常に起こる小さき出来事をキャメラワークでかやふにも美しく映し出す、、、 

その世界観は同じく帝都:東京にも共感を呼んだのでせふ、、『東京の屋根の下』なる流行歌も生まれたほど

いわんやルネ・クレールの繊細な感性が 同じく細やかなる日本人の琴線にも触れたことは間違い御座いません


  


当世の巴里を歩き思ふこと、、、

それは、『巴里祭』や『巴里の屋根の下』の頃とさして変わらぬ町並みを未だに見られることの素晴らしさ

ギマールによるアールヌーボー様式の地下鉄入り口があるかとおもえば、遠目の街並みはほぼ19世紀前後のまま

仏蘭西は我が国と違い湿気がなく、石造りの頑丈な作りが多いことも勿論一因でせふけれど、 

文化や歴史、建造物に関する規制も厳しいことから、美意識を輸出して生きて行くのだといふ覚悟が感じられます


王でも貴族でもない、国民が主役なのだ… なぜなら全ては我々の手により決める権利があるのだから、、、

遠き革命以後、おそらく仏蘭西国民はその気概と誇りを持ち生きてきたことでありませふ


そんな、今日の日:Quatorze Juillet、、、皆様は何をか思ふ・・・ 

 

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Comments

No title

ごきげんよう。たくさんのお土産話、ありがとうございます。わたくしも「ベルサイユの薔薇」世代。登場人物の台詞はほとんど覚えております。ああ・・なんて素敵な巴里。改めて「愛の賛歌」「ばら色の人生」を聞いてしまいました。巴里に住んだら、きっと恋をせずにはいられないのでせうね。フランソワーズ・サガンの「悲しみよこんにちは」を今宵は読み返そうと思います。時々、ご夫妻は日本には居られないのだと、寂しく感じておりました。ご無事にお帰りお疲れ様でございました。では、ごきげんよう。

Re: No title

メトロがいくら犬猫の糞尿の馨りでも、嗚呼… 愛しきや巴里。
流石はシャンソンの国、流しの演奏家の方々の持ち唄にも必ずと言へるほどピアフが登場いたします。
あと数回の珍道中記では御座いますが、どうぞお付き合い下さいませ。
  • 2011.07.17 19:05/
  • 真珠婦人 URL/
  • 編集

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