キネマの天と地



終戦記念日も過ぎ、博多は朝夕めっきり涼さへ感じる初秋の趣であります

節電の夏となった今年のお盆、家に居ても何だし いっそのこと近場で映画館にでも出向かふか、、、

かやふなお方も多かったのでないかと存じますが 本日は、映画が庶民の最大の娯楽であった頃を偲んでみたく候



当世において、「映画館」といへば皆様どんな場所が浮かびますでせふ、、、

何シアタアも併設され、全米NO.1だとか 制作費数十億円だとかの超大作が目白押し、

帰りにはお父さんのゴルフ用品からお母さんのお化粧品、坊やの玩具のお買い物まで一挙に済んでしまう…

そんな夢のやふな場所:シネコンを殆どの方が思い浮かべることではないでせふか



しかし30代を過ぎた皆様、ふっと十数年前を思い出して頂きたい、、、

隣の席に座る初恋のあの娘・あの人に、わたくしの密かに高鳴る鼓動が聴こえるのではないかしらん・・・

誰もがあるであらふ そんな甘酸っぱい思い出とともに胸に去来するは如何なる映画館であるか、、、

さふ、恐らくは あの街角や駅裏にあったであらふ… 特にへんてつもない映画館ではないでせふか


(以下は、見世物小屋の口上風にお読み頂ければ是幸いです)

皆様、その小さな映画館は是時代の流れか、一館 また一館と 日々消えて行かふとしているのであります…

デエトの華と謳われ持て囃された時代も御座いましたが、今は昔… 絶滅目前と相成っているこの映画館、

語り草にどふぞ、しかとその眼見開いて焼き付けて頂きたい、 さあさ 何方も何方も… お早くお入り、、、



博多の地では数年前にシネテリエが、今年に入りシネリイブルが突如閉館し一部で惜しむ声が聞かれました

そして秋にはソラリアシネマ迄が一旦閉館するとのお話に、 頑張れ!中州大洋…さふ思ふ博多人も多きはず…

さふ、全国の商店街が巨大モールの津波に飲み込まれますやふに 同じことが中小の映画館でも起きておるのです




今でこそテレビを通して日々お茶の間でも、時にはツイッタアなるものを使えばもしかしたら会話さへ可能な…

そんな身近なスタアは勿論、少し前迄はこの世に存在するはずも無く

最早耳にすることも稀になりましたが 嘗ては「銀幕のスタア」といふ言葉が有りまして、

文字通り、輝かんばかりの後光を放つスタアに逢ふには映画館に足を運ばなければいけない時代がありました

スタアが近しい存在になればなるほど、映画館は遠き存在となっていったのでありませふか



まだ情報網が発達する以前、活動写真や映画は世界の動向や最新の流行を知る手段でもあり、最大の娯楽でした

遠き米国西部の活動劇に驚き、まだ見ぬ巴里に憧れ、あたり前田のクラッカー片手に喜劇に泣き笑いした…

勿論、わたくしもその時代を知らない世代ではありますけれど、、、

映画館で始まりのブザーが鳴り、緞帳が音も無く閉まり、灯りがぱっと消え、大音響が響く瞬間の興奮・・・

期待に胸膨らませるその心持は恐らく、かつての人々のそれとさして変わらないのではないでせふか



わたくしが美濃の国の帰省の度、近頃定番となりつつあるお愉しみが御座いまして、、、

嘗ての繁華街:柳ヶ瀬にありますロイヤル劇場にて、週替わりに放映される日本を中心とした名作映画の観覧

フィルムも擦り切れ、上映さへ危ぶまれる週もあるとのことですが、僅かワンコインで体感するその迫力たるや…

この度は、父と共だって 故:森繁久弥翁の駅前シリーズである 『喜劇・駅前怪談』を拝見して参りました

元来小振りな映画館が広く見えるほど、毎度お客様は年配者中心に数人程度、、、

しかし大画面狭しと走るフランキー堺氏に伴淳三郎氏のどたばた振りに声上げて笑う観客に、

嬉しさの余り 古き小さな映画館は静かに揺れたやふに思いました



核家族化が進み、娯楽も買い物も食事も何もかもが一遍に済む大型施設も大変便利でありませふ

しかし、単館で放映される映画類は 大多数には支持されずともじんわりと胸を打つ秀作も多いやふに思います

娯楽が溢れ多様化している当世、映画館で見られる映画が限られつつあるといふことは皮肉な現象でありまして、

映画の興奮冷めやらぬまま 帰り道に悲恋の主人公や活劇ヒーローの心持に浸りつつ家路に着く・・・

さほど遠くは無い未来にそんな情景は消滅してしまふのではないでせふか、、、


いやいや、日本映画此処にあり!… かやふな傑作が次々に世に生み出され、

まだまだ、単館系映画館此処にあり!… 左様な勇気付けられる声を何時何時までも聴きたいものであります






パールHPへようこそ
Pearl

スポンサーサイト

Comments

No title

残暑お見舞い申し上げます。
本当に昔は小さな映画官があちらこちらにございましたね~。父に連れて行ってもらったのが初めてでした。それも「ざとう市」わたくしは何も分からず、ただ、血糊が毒々しいオレンジ色だけだったことが記憶にございます。8歳の娘を何故、誘ったのか、とうとう聞けずじまいでしたが、時々思い出しています。8月12日と今日、父の夢をみました。お盆なので帰ってきたのでせふかしら・・・?
  • 2011.08.18 00:18/
  • jicky URL/
  • 編集

Re: No title

今となれば、お父様との素敵な思い出ですわね。
お盆ですもの、きっと逢いに来られたんでありませふ・・・
街角の映画館にももっと足を運ばないと、、、さふ自戒しながら今回綴りましたわたくしであります。
  • 2011.08.18 17:54/
  • 真珠婦人 URL/
  • 編集

コメントの投稿


非公開コメント

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

Pearlマダム&ムシュウ

Author:Pearlマダム&ムシュウ

福岡に御座います、フランス中心の
ヴィンテージ・アンティークショップ
Pearlのマダム&ムシュウによる
日々の戯れ言を綴った日記です

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
未分類 (2)
戯れ言 (132)
お品 (200)
食卓 (8)
催し (42)
嗜好 (39)
皆様へ (66)
真珠夜會 (6)




検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
このブログをリンクに追加する
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
ブログランキング・にほんブログ村へ
Pagetop