じゃぽにずむ



先々週、三越の小さなギャラリイにて「ガレ・ドーム展」を拝見して参りました真珠家二人、、、

アールデコの直線的かつモダンな趣向も素敵だけれど、アールヌーボーの自然主義的曲線美にも触れまして

容易に手に入るものではあらずとも、良いものはもっと見なくてはいけないと感ずると同時に

改めて… 己の好むところを知る境地に到りました、、、

嗚呼 さふか・・・どちらの美術様式の根底にも相通ずる 「ジャポニズム」に心惹かれるのだナアと


そこで今宵は、この「ジャポニズム」といふ切り口から覗く魅惑の国、世界の憧れ:ジャポンへと いざ出航…


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1858年開国以来、ペリー公でお馴染みの黒船来航により 日本には西洋からの商船がわんさと押し寄せて参ります

当時発達しつつあった写真・印刷技術により、「横浜写真」はじめ日本の様子が広く知られるやふになるや否や、

仏蘭西を中心とした欧州においては 鎖国による独自の発達を見せた日本美術に高い関心が寄せられ、

Japonism(ジャポニズム:日本趣味、日本心酔のこと)と呼ばれまして 趣味人達にたいさふ持て囃されました

兎に角、日本風味を盛り込んでしまえ…といった初期のジャポニズム葉書もまたご愛嬌、でせふ


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とはいへジャポニスムは単なる一時の東洋趣味的流行ではなく、往時の全先進国で30年以上も続いた運動であり、

欧米ではルネサンスに匹敵する、西洋近代的な美意識の大きな変革運動の一つの段階として捉えられるとのこと

特に19世紀中頃の万国博覧会(国際博覧会)へ出品などをきっかけに、団扇や扇子、着物や陶磁器にとどまらず

日本美術(浮世絵、琳派、工芸品、版画など)が注目され、多くの文化人や芸術家に多大なる影響を与へました

かのモネ描く「ラ・ジャポネーズ」も、かやふな着物柄や団扇の飾り方 さふさふ有りませんよと喉元まで出れど

ええじゃないか、ええじゃないか… 過渡期ならではの面白みも感じるではございませぬか、皆の衆 


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ジャポニズムの流行った当時、欧米の芸術家は日本美術の不規則性と非対称性に大変関心を寄せました

また 浮世絵はじめ西洋の絵画とは異なる遠近法が用いられており、中心が中央から外れて構成されていること、

写実的陰影法も無く 鮮やかな色彩による平面構成、斬新な構図に自然主義的な趣向…

いずれも当世の広告等では当たり前に見られる手法でありますが、画期的なことであったさふでありまして

これらの要素は19世紀までの画家にとって前提であったローマン・グレコ様式(Roman-Greco art)のまさに対極、

西洋画家達が近代的表現技法に行き詰まりを感じる中、伝統の束縛から解き放ったのが我が日本美術でありました
『ヨーロッパの文様事典』他参照

確かに、以前拝見した北斎や広重の浮世絵も 当世からしても色使いや構図の斬新さは眼から鱗、でしたもの…




では、先ずはアールヌーボー期の代表的な工芸品に於ける 「ジャポニズム」を堪能致しませふ・・・

これらは日本の職人の手によるものではありませんで、ルネ・ラリックはじめ名立たる欧州の名工たちによる逸品

孔雀や蝙蝠に松など、純和風の趣向から強く影響を受けて作られているのが日本人から見ても一目瞭然であります


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続くアールデコ期には「ジャポニズム」を西洋流に独自解釈し 益々洗練されてきつつあるやふに感じられます

主に富裕層の為の芸術品であったアールヌーボー様式から、一般大衆が初めて参加できた芸術様式のアールデコへ

移行しますと、明瞭な色彩の対比に簡略化された趣向が斬新で都会的であると 広く受け入れられていきました

世紀末より爆発的人気を得たKIMONOガウンも、お洒落な室内着として女性に支持を得 着物袖は以後定着します


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面白いもので、大正初期にはアールヌーボー様式、昭和初期にはアールデコ様式が逆輸入され

「異国」といふフィルタアを通した「ジャポニズム」が我が国を席巻、影響を与えました・・・

喜劇やジャズ、バアレスクを異国から導入した前回の記事でも触れましたやふに、

他国文化や技術を取込む巧みさは我が国の専売特許でありますが、そこから如何に独自性を持たせるかが要であり

その点においても 我が国の柔軟さや技術に裏打ちされた匠の腕の確かさ…異国からしても神秘の国でありませふ




仏蘭西に住む妹が「アナタハSHINOBIデスカ?」と尋ねられたといふ笑い話はさておき、、、

時を経 今や「ミシマ」文学や「禅」文化については本国を凌ぎ 欧州の学生の方が詳しい時代である一方、

コスプレやアニメといった新しき魅力のジャポニズムのうねりが世界の津々浦々まで到達しつつあるのも希望哉



当世の日本は第二の開国、と言われ TPP問題なるものにより日々激震が走っております

十人十色 様々な考え方があることでせふが、急いては事を仕損じる との諺もありますやふに、

我が国の独自性とは、今後残すべき守るべき物、その必要無き物とは一体何ぞや… 

黒船の恐怖に慄くのみならず先人達が残してくれた立派な遺産を元に 見直してみるのも必要ではありますまいか

 
嘗ては世界が羨む国であったこと、その誇りを持って堂々と議論を重ねて頂けることを望むわたくしでありました 



自国の文化を疎かにして繁栄を見せた国家は過去に例を見ませんし 未来に於いても勿論言わずもがなでせふ

日本の財産ともいえる美術品のみならず技術者までが続々と海外に流失しているなど、哀しいではありませんか


まさに「黒船危機一髪」の今だからこそ、技術では何処にも負けない日本の匠の力に国家戦略として予算を投じ、

島国ゆへ、稀有な発達を見せた我が国の伝統産業の数々を若き人が自然と受け継いでいけるやふ、

伝統を残しつつ当世に即した革新的な趣向やアニメ等新興文化にも職人さんらが伸び伸びと挑戦出来うるやふ、

世界といふ大海原に力強く漕ぎ出でていけるやふ、、そんな文化大国に再生する又とない機会のやふにも感じます 



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