帽子は世につれ人につれ



しとしとと静かな春雨の一日、、、  雨の日にはビリイ・ホリデイがよく合ひます



さて、暫く真珠夜會の告知などに追われまして 所謂本来の『戯れ言』からは遠ざかって居りました

夜更けに雨が突如ぼた雪に変わったり はたまた上着の要らない日があったりと 例年ながら寒暖差ある今時期、

風邪をひかずに春の装ひを愉しむのに 先ずはストッキングやスカアフの色を明るく換えるのも一手でせふし、

人に拠っては頬紅やら口紅やらお化粧から春の気配を取り入れます、といふお方もおられることでせふ

いずれも大変結構なことかと存じますが さらにドラマティックに春の到来を装ひたいといふ貴女に、、、

真珠では ストロウやらサテンやら綿やらのお帽子を各種取り揃えてお待ち致しております

アラ、どんなものがあるのかしらん・・・  こちらは次回詳細をお伝えすることにしまして、

今宵は しゃぽー・あ・ら・もおど、つまり お帽子の流行変遷を簡単に見て参ることと致しませふ



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所謂「鹿鳴館」時代に代表される 雄鶏如き尻高バッスルスタイルで装飾性の高いドレスが中心の1800年代後半、

お帽子は顔を覆ふやふな慎み深く女性らしい 小さめのボンネット型を被るのが主流でありました

1900~10年代、ジャポニズムに影響を受けたポール・ポワレなどによる画期的な筒状着物風ドレスが流行すると、

一転してお帽子はとてつもなく大きくなり、羽やら花やら意匠の凝ったものが持て囃されます



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1920年代に近づき女性の社会進出や都市化が進むと 革新的な若き乙女達はこぞって長髪を活動的なボブに断髪、

我が国ではその形状からおかま帽、と呼ばれた釣鐘型のクローシュが一大旋風を巻き起こしました

当時のモガ達の文献には、断髪して剃り上げた襟足や耳元に 涼しさと共に大いなる開放感を感じた、とあります

20年代後半にはクローシュが進化したつばのないヘルメット型にアールデコの直線的な意匠が施されたものや

エジプト発掘隆盛による異国趣味のターバン風意匠の物も登場し、耳下までの短髪を賑やかに彩りました



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二つの大戦間の束の間の平安を謳歌すべく、1930年代前半には曲線美の柔らかいラインのドレスが回帰すると

お帽子のつばも大きく線もうねり、レエスやらお花やら女性的でロマンティックなモティーフで彩られました

後ろのつばのないブルトン型の黄色い麦わら帽を被る見目麗しいこの少女の可憐なことといったら!

また、頭を包むこじんまりとしたお帽子に流れるやふなシフォンのロングドレスを合わせる様式も流行します



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細かめで耳下までの巻髪も 40年代に近づくにつれ徐々に長くなり、肩の線にまで復活して参ります

また、ダリなどシュールレアリズムの影響受けたスキャパレリなどによる奇想天外なお帽子が生まれたのもこの頃



徐々に戦火が忍び寄って参りますと、我が国で言へば「銃後の守り」、女性も軍需工場等で働くことを余儀なくされ

軍服に近い肩の張った男性的なラインに生地を最小限に使用するタイトスカアト、といふ出で立ちになります

特に本土がほぼ戦火から免れた亜米利加では、統制の厳しい中、どうにか華やかさを…と、

SEARSやらのストア・デパアトメーカアが 一風変わった面白い帽子を世の女性に量産し数多く送り出しました



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戦争終結後、生地の制限から開放されると ディオールはじめ女性特有の丸い線を誇張したニュウ・ルックが開花

お帽子もパンケイキと呼ばれる平たいものやら 所謂ヘッドドレスと呼ばれる頭半分を包む装飾性の高いもの、

特に戦勝国でダメエジの少なかった亜米利加では 果物やらネットやら花やら愉しさがてんこ盛りの、

ユニイクかつ華やかなお帽子が自信にみなぎった女性たちの頭を華やかに彩りました



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保守的であった50年代前半までは、お帽子は何処に出向くにしろ エチケットとして欠かせないものでありました

50年代後半から、10代が文化の中心を担うやふになり半保守的嗜好が強まるにつれ お帽子の人気は衰えます

1960年代初め、ケネディ夫人のジャクリイヌ女史がピルボックス型など様々なお帽子を被り注目を集めますが、

以降は一転、男女差の開放に衣服の多様化も進むにつれ 急速に礼装の役割としてのお帽子は衰退していきました

1960~70年代にかけ ツイギーのブロマイドにあるやふに30年代様式の復活がみられますがその装飾性は薄れ、

お帽子はもはや誰しも必ず被るべきものではなく、お洒落の選択肢の一つとして自由に選ぶものとなったのです・・・



と ここまでざっと振り返って参りますと 一つの規則性が感じられることにお気付きでせふか、、、

さふ、お洋服の線が簡素になると一転 お帽子は装飾性を増し、またその逆も然り、、、

無論、50年代のやふに例外的にどちらも華やかである例外的な時代は御座いますが、

穏やかなる時代も苦悩の時代も 宝飾品のみならずお帽子は女性の映し鏡のやふに共に移ろって参ったのですね

そこには、政治情勢やら経済状況やらに負けじとあがなう 女の慎ましき「情念」がわたくしには感じられるのです



近年、結婚式やら謝恩会やらで 色とりどりのお帽子にて礼装なさるお嬢さん方を見ることも多くなりました

お帽子はご自分を日常から非日常へと誘ってくれることをよくご存知なのでありませふ、、素敵なことですね

お好きなお洋服のすたゐるから、お顔の形状から、貴女のお顔に似合ふ「額縁」を見つけ 

ご自分をさらに魅力的に彩ってみてはいかかでせふか、、、 



パールHPへようこそ
Pearl



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福岡に御座います、フランス中心の
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Pearlのマダム&ムシュウによる
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