お買物ブギ



台風並みの春の嵐も過ぎ去り、いよいよ行楽にもってこいの時節となって参りました

さて、皆様がご旅行に際し 重きを置かれますのは如何様なことでせふか、、、

土地の名物に舌鼓を打つ、旧所名蹟を訪ね歩く、また湧き出る温泉に現世の極楽を味わふお方もおられませふ

他方、私はと申しますと・・・ 地方地方の骨董市・蚤の市をそぞろ歩くことにありけり、でありまして、

この度の美濃の国帰郷においても例に洩れず 目指すは京都は東寺の骨董市・・・小京都:金沢に続く母娘二人旅です 



母を従えて・・・と言いたき所でありますが、北野天満宮骨董市はじめ 東寺の骨董市へも幾度も訪れている母は、

この地の人かと見まごうほどに、普段「痛い痛い」と申す膝痛は何処へやら、足取り軽く一目散に東寺を目指します

十数年振りに東寺を仰ぎ見る間も無く、十時をとふに過ぎて居りますから境内は既に老若男女黒山の人だかり・・・

古いお着物を扱ふお店には ちらほら欧米からの旅行者と思しき男女がお土産でせふか、縮緬や銘仙に袖通す姿や

和骨董に混じり、ちりめん山椒に七味唐辛子など この地らしひ馨りがここそこの露店から漂ふのもまた情緒誘ふ


 
骨董市の醍醐味は何と言っても、何に出くわすかわからない 「未知との遭遇」にありませふ、、、

整然と並べられた路面店やデパアトとはまた一味違ひ 雑踏の砂煙やら土埃にまみれて私だけの宝物を探す幸せ

中には眉唾ものの骨董まがいやら 沁みだらけの軍服やら、如何様なお人が買ふのかしらん、、、

さふ思わずには居られない一見ガラクタと思しきものでも、所望する方があるからこのお商売は不思議なものです


かくいふわたくしは、東寺に向かふ道すがらにて目に留まった浴衣と それに合わせた色合いの兵児帯を、

またアールデコともシノワズリ(中国趣味)とも言へるブローチなどを、母は古着物を幾枚か買い求めました

この夏は、高畠華宵先生描く妖しの美人のやふに・・・とはいかないでせふけれど 

緩めの襟元に昔風を気取り胸高く兵児帯を締めまして、昨年とは一味違ふ浴衣姿に挑戦したく思います、、、

とは申しても、数年前より浴衣止まりで袷のお着物が一人で着れぬままであるのは残念ながら変わらずであります
 
それにしてもこの美人、当世のわたくし達が見てもなんとマア斬新な着こなしでありませふ!

往時のモガ達は、華宵に蕗谷虹児先生の描く革新的かつモダンな着物姿に 一頁一頁捲る度恋焦がれたことでせふ



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お客様商売をして居りますと、殿方とご婦人では お買物の仕方に顕著な違いを感じることが間々御座います

殿方といふものは、予め背広なら背広と定め 大方の予算を決めてご来店なさいまして、

当方になければまた別のお店へ 当方にあれば「お金を下ろして参ります」と仰って現金を持参されます

また、一昨年買い良かったからと 古着でも色違い程度の近い趣向のお品をお求めになるのも殿方にみられる傾向

お金に糸目つけず○○一筋集めに集めて遂に記念館まで建立、といふ所謂「蒐集家」型も 殿方に多く感じます  



一方ご婦人は・・・ 「本日は鞄を探しております」とのお方がワンピイスやら首飾りを手に帰られることもしばしば

また多くが目的はなく、本能に訴えかける物を直感的に選ばれる姿も多く見られ、拝見していて面白いものです

一度手に入れたものとは違う趣向のものを常に所望されるのも、ご婦人のお買物の特徴とも申せませふ・・・

血中の何処かに母なる遺伝子が流れているのか、お値ごろ感のあるものを数欲しい といったお買物上手な面も



とはいへ、わたくしはいざ自分が買ふとなりますと 小さきものほど大層悩むのでありまして、 

ああでもないかふでもない・・・色々と思案し ぐるぐると水族館の魚のやふに店内を歩き回ることもしばしば

このやふな思案型買い物は 我が国同様に国土が狭き欧州の人々に特に顕著に見られるさふで、

小さき家の小さき部屋の 一体全体何処に置かふか…と毎度考える為 慎重にじっくりと検討を重ねるのが常


他方、一生困らない数の靴があってもなほ買い続けたといふイメルダ元大統領夫人の極端な事例は抜きにしても

眼前の目新しきお洋服を前にしましたら、箪笥一杯のお洋服のことなど頭から飛んで消え、まあどうにかならふ・・・

二つ買ふより三つ買って少々得なら三つ買ったほうがよし・・・ といふのは最早お伝えするまでもなく、

世界第一の消費大国であり、 兎に角広大な国土を持つ亜米利加式買物 と申せませふ




・・・・とはいへ、じっくり悩むも電光石火の如き即決するも 高価な物でも安価な物でも、

自分に吸い寄せられるやふに導かれたものと永きお付き合いをすることは、どこか人との出逢いに似たやふで

ホンマ、お買い物は 止められまへんワア・・・



 



笠置シズ子女史がご存命なら、きっと仰ったでありませふ、、  「嗚呼 しんど」


笠置シズ子さん



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