仏蘭西珍道中記 ~中国の永き夜篇~



紳士の記する~ハプニング篇~に続きまして、今宵わたくしがお送りしますのは~中国の永き夜篇~、、、

ご興味お有りの方は、お付き合いくださいませ、、、

さて、この度の仏蘭西旅は中国国際航空を使います故 必然的にトランジットは中国経由… 

嗚呼、憧れの~ハワイ航路… ならぬ、わたくし個人的に憧れの「上海航路」であります



以前も笠置シズ子女史の記事にて触れましたが、数年前『上海ブギウギ1945』等を拝読以来、

憧れの地の一つである「上海」に対するわたくしの片想いは日に日に少しずつ募るばかり・・・


当世でこそ、偽者天国だのと言われて久しい当国ではありますが、中国四千年の悠久の歴史は長く、

かつては大変優れた工芸品を生み出すなど 世界の文化に多大なる影響力を誇る大国であったこともまた事実…

発展目覚しい近年の中国といふより 戦前のオールド・シャンハイに興味があるとはいうものの、

普段大の飛行機恐怖症のわたくしでさへ、経由地とはいへ出発の日をちょっぴり心待ちに致して居りました




そもそも、「東洋の巴里」「魔都」と異名を持つ上海といふ都市は 亜細亜でも特殊な発展を遂げた場所でして、

1842年の南京条約締結により上海は条約港として開港以来、英国・仏蘭西などの租界(外国人居留地)が形成され、

後に日本や亜米利加も続いて租界を置いた 世界有数の人種・文化の交錯する国際都市であります

1920~30年代にかけて中国最大都市として隆盛を極めた港町:上海には アール・デコと中国様式建築が入り乱れ

また、一方で世界恐慌で職を失ったジャズマンたちが、新天地を求めて流れてきた地でもありました




さて、先ずは博多を後にし 1時間遅れではあるものの17時過ぎに無事上海に着いたまでは良かったのです、、、

巴里への乗り継ぎに7時間以上要する長旅ですが、わたくし達は初めての中国に少々はしゃいで居りました

ところが、搭乗手続きに長蛇の列、、、搭乗予定の深夜00:30分を過ぎても牛歩のやふに進まぬ黒山の人だかり…


人々の顔に諦めと疲労の色が濃くなってきた頃、ふとわたくし達に話しかける方が居られました

耳を傾けると 親日家の多いことで知られる台湾の家族連れ旅行客の男性が、英語が話せるのを生かして

「航空会社都合で、今夜は飛ばず 5時間遅れの翌朝発になったみたひですよ」とわざわざお知らせ下さったのです

土曜日の朝巴里着、そのまま蚤の市を廻るわたくし共の計画は儚くも崩れ去り、失望感の漂う中

十分な説明もないままに、急遽航空会社持ちのホテルにて2時間ほど仮眠をとる事になりました


翌朝、変更搭乗時刻の5:30分を過ぎても搭乗開始しない事態に 苛立つ乗客たちは乗務員に詰め寄る中、

またしても昨夜の台湾の紳士が「今、お金が窓口で一部払い戻されていますよ」と伝えに来て下さいました

かくして、待ち焦がれた搭乗アナウンスが流れ 結局飛行機が飛んだのは7時過ぎ、、、 

搭乗ロビーの各国の人々にはいつしか連帯感が生まれ、疲労困憊の中にやれやれと安堵の表情を浮かべました


それにしても、予期せぬ事態に遭遇し 怒鳴り散らす人、呆れつつ静かに待つ人、意に介せず状況を愉しむ人…

そこにもお国柄が表れるやふで 人間観察としては大変興味深くも御座いました 

また、自身も疲れが隠せないであらふに それでも尚他人を気遣う人も居ることに感銘を受けも致しました



*********



さて、お話は一気に帰路へとヒトっ飛び… 帰りは上海ではなく 北京~大連を経ての帰国であります

中国系航空会社は遅延が多いとの噂は耳にはしておりましたが、なにせ行きのいきさつがあるものですから、

わたくし達は半ば覚悟して空港へ向かいましたが、今度はあっさりとほぼ定刻通りに飛び立ち胸を撫で下ろします



着いた地は首都:北京、ホテル行き送迎車に乗るため空港地下駐車場に向かふわたくし達は思わず顔を見合わせ…

「何でせふ、この暑さは!!」   日本とはまた桁違いの北京の湿度と熱風に、

温度差に弱いわたくしには既に蜃気楼が見え始めるやふ、買付けや長旅の疲れもあり 足取りも芳しくありません

ホテルに着くも、あわよくば行けたらと考えていた常設骨董市である藩家園古物市場へは距離的にも程遠く、

紳士になだめられて数時間仮眠後に少し日も落ち、折角ならと徒歩範囲内の近場の庶民が集う屋台へ赴きました


若者の漢字離れの進む中国では、漢字簡略化が進んでいるのは存じていましたが、実際初めて目にする字も多く、

世界中の現時点で一番漢字を用いているのは最早発祥地の中国ではなく、我が国と言えませふ・・・

新漢字表記に少々苦戦しつつも鶏の焼き鳥とレバー?(注)らしきもの、塩茹でピイナッツに燕京麦酒を二本平らげ、
(猪腰子…豚の腎臓 猪肉とかいて豚肉だそうです)

お支払がたった46元(約500円ほど)であったのには驚きましたけれど、暑さの為に上半身裸の地元男性に混じり

旅の疲れが麦酒の泡に溶けゆくうち、蒸し暑い熱風もいつしか心地よく感じられるやふになりました


いよいよ明日は大連~博多へと乗り継ぎ… いざ眠らんとしますと、先程の半端な休眠に時差ぼけが輪をかけ、

紳士もわたくしも眠ろうにも眼が爛々と冴えて冴えて、、、

致し方なく、二人うろうろと深夜に珈琲をすすったり シャワーを浴びてみたりすれど 嗚呼永き永き中国の夜…





「支那」といふのは当世では中国への蔑称とされ 曲名も「中国の夜(China Night)」と変更されています
当時の人々の大陸への憧れを幻想的に唄った曲であらふことから 今回はそのままの原題にてご紹介しておりますが、他意は御座いません




まんじりともせず、わたくしの耳に延々と響くは 渡邊はま子さんの美しき声 「支那の夜」、、、

初めての中国には少々、手痛く振られ気味ではありましたけれど、

ほぼ揺れることなく巴里へと行き来させてくれた中国の敏腕パイロットさん達にわたくしは心より感謝しつつ、

帰国早々、(次こそは、、、)と早速夢の上海の旅を思い浮かべ、空想に耽る懲りないわたくしで御座いました

 



次回催しのお誘いもご覧くださいませ…

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