仏蘭西地珍道中記 ~街中の美 篇~




さて、今宵は第三篇・・・ ~街中の美 篇~をお送りすることと致しませふ




此の度の買い付け地:巴里はじめ本国仏蘭西は 歴史の永い永い国、、、

我が国に比べ、活断層が少なく湿度も低い仏蘭西では 石造建築に適した条件を備えていることから、

築100年ならまだ若きほう、築300年超といふ古き建造物がごろごろと当たり前のように存在しております



1960年代より 世界に先駆けて歴史的建造物の保全・維持に取り組み始めた仏蘭西では、

1980年代には 建築的・都市的文化財保護区域を指定し保全する制度が設けられ、

1993年の「風景法」により、景観保全の要素も加味され、現在に至るとのこと、、、


ですから、建造物を取り壊したり新たに建設するのには 高さや美観など厳しい基準を満たす必要があるため、

戦火をかいくぐった古い建物が現残する確立が必然的に高くなる といふからくりであるやふです

趣ある神社仏閣の横に高層ビル…といった我が国でも 自国の文化維持にもっと予算を割くべきではないでせふか


そんな事情もあり、現代っ子のパリジャンやパリジェンヌ達が肩寄せ合って暮らすアパルトモンも、

石造りの頑丈な入り口は、かつて馬車で行き来していた頃の高い高い門構えのままであったりすることもしばしば

建築や美術などに多少なりともご興味ある方なら、街の辻辻の門構えを見歩くだけでも愉しきことでせふ・・・





倹約しながらの買い付け紀行でありますけれど、うち数回は目的を持って少し贅沢をしやふ と決めております

日本への発送手続きが終わった最終日、紳士と連れ立って出掛けたるは、「Le Grand Cafe Capucine」・・・

偶然近くを通りかかり、外からも垣間見える優美な内装に取り付かれて数日後に、訪れることといたしました



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こちらは創業1875年、まさにベルエポック期… 本格的なアール・ヌーボー様式で隅々まで装飾を施された店内、

空間を彩るランプや鏡、階段の手すりの曲線に到るまで 舌からは勿論 目からも十分に栄養を頂きました

かふいった所にお邪魔しますと、ついついお手洗いはどんなでせふ…と気になる下世話なわたくし・・・

トントントンと左右対になった階段を昇りきると お手洗いに辿り着く前に アラまあ孔雀… 思わず溜め息!  


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巴里の街中でみられる余りにも有名で最も身近なアール・ヌーボー様式といへば、

仏蘭西のアール・ヌーボー旗手であるエクトール・ギマール作「迷界への入り口」といふべきメトロの門でせふ

ギマールの手によるメトロの入り口には様々な様式が御座いますけれど、

モンマルトル近くAbesse駅等では まるで口を開けた貝のやふな 幌付きの艶のある門がご覧になれます


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中心部のデパアトメントにも1800年代後半に創業した老舗が多く、中でも現存するギャラリー・ラファイエットは

1912年建築のガラスと鉄鋼のドーム、およびアール・ヌーヴォーの階段も見るだけでも足を運ぶ価値があります


ラファイエット



巴里に入り数日ご一緒したモアのM嬢とお別れの前日には わたくしの独断により、

以前から気にかかって居た マレ地区のアール・デコムウドが濃く漂うビストロに立ち寄らせて頂きました

こちらは、力強い色使いや直線の織り成す男性的な趣向の店内… やはり お手洗いには行かずに居れません



滞在した宿の程近くには、黒地に金文字が鈍く輝くアール・デコ様式のホテルの門構えが御座いましたり、

映画館「Cinema Rex」のアール・デコ期往時のままの渦巻き半月模様が雲間に溶け込んでいましたり…

さほど目を凝らさなくとも 街のあちらこちらでかつての文化の華やかな馨りが感じられます


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アール・ヌーボー(Art・Nouveau)もアール・デコ(Art・Deco)も、その名称は共に仏蘭西が発祥、、、

そのことからも、第一次大戦前後までは英国と並び 仏蘭西が世界の文化を牽引していたことがわかります

アール・デコは新進国:亜米利加でその後、爆発的な流行と発達を見せますが 斬新かつ奇抜なその趣向ゆへ、

本国仏蘭西のシックな灰色の石造りより、紐育の真新しいきらびやかな摩天楼にこそ映えるやふにも思われます

文化の発祥は同じくしても 伝わった国の風土や人々の気質により様々な発展を見せるのは面白きもの…



人で混み合ふ有名美術館にて名作を観たり、二階建てバスにて観光名所を巡るのもまた一興、

一方で 例へばマルシェや地元のビストロをひたすら食べ歩いたり、好きな音楽家の足跡を辿ったり・・・

ご自身の好みがはっきりなさっているお方には、目的を持って街を歩くだけでも様々な発見をくれる街、

それが他民族国家である仏蘭西の、そして「巴里」の持つ魅力のひとつでもあらふかと思われます

旅の手引きには載っていない 自分だけの宝物地図を黒く埋めていくは愉しきこと哉、、、


二度目以降の巴里には、是非後者をお勧めしたい…

さふして、メトロ1号線など観光地を走る地下鉄内では 懐中に十分ご注意を払っていただきたい…
 
二度もスリ未遂に遭ったわたくしめの ささやかな願いであります





次回催しのお誘いもご覧くださいませ…

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