華やかなりし頃
2013.02.08
一昨日は夜更けより しんしんと雪模様の博多の地・・・
久方ぶりにばさりと断髪し 襟足に吹き抜ける寒風に 何処か心地よささへ感じます真珠婦人で御座います
お外は灰色の雪空でも 真珠の店内は日を重ねるごとに春の色合いが濃くなって参りました
そこで今宵は近頃入荷した、華やかなりし往時の亜米利加が目に浮かぶ ヘッドドレスの数々をご紹介致しませふ
当世では耳にすることも多くなりましたこの「ヘッドドレス」なるもの、てっきり造語かと思いましたら
れっきとした英語「head dress」でして 仏語「bonnnet(ボンネ)」もほぼ同義の ひさしのない帽子を指すさふ
その歴史は永いのですけれど、特に隆盛を極めたのが1940年代末から1950年代終わり頃まで とされています
帽子そのものの盛衰につきましてはコチラをどうぞ → 帽子は世につれ人につれ
戦後、女性らしく気品に溢れ、華やかな「ニュー・ルック」に象徴されるすたゐるが世界中のモオド界を席巻…
リボンやチュール、羽や花や果物といった愛らしい趣向で彩られた帽子達に、戦火で疲弊した女性の心は躍ります
戦前からデパアトブランドが発達した亜米利加では ことにユニークな趣向のものも多く市場に流通しました
一方で、1950年代後半になると 所謂「良家の子女」に代表される保守的なすたゐるに反発を持つ若者層の登場で
大人が文化の主役であった時代から 「ティーンエイジャー」が主役を担う時代へと移ろひますと、
どんな場所でもエチケットとして帽子を被らねばならないことが敬遠され 一気に帽子文化は衰退して参りました
この度ご紹介致しますは、世の中が「アポロ月面着陸」に湧く数年前…人々が明るい未来を信じて止まない頃のもの
帽子とバッグ等が対になったものも多かったこの時代、なんとマア ゆとりのあった時代でせふか、、、
では早速、縁あって真珠に参った品々の一部を実際にご覧頂きませふ・・・
先ずはこちら、「THE AMERICA」 と申しても過言ではない 満開の花々の馨り漂うふやふなヘッドドレスから
ここまで華やかですと、御着物やドレスにも負けませんし 若い方がパアティに と所望されることも御座います
お次はこちら、同じ花の趣向でも 褪せた紫陽花のやふな小ぶりの花弁が何ともシックな趣きを感じさせ…
色味も全体的にまとまっておりますので、生成りなど柔らかい色調のブラウス等と相性がよいかと思われます
かわってこちらは、パンジーを思わせる 珍しい紫の羽やベルベットを用いた清楚な一点・・・
バレリイナを髣髴させるのは手前に配されたリボンのせいでせふか、太めのカチューシャ幅も使い勝手がよいもの
幾層にもひだが重なった臙脂のベルベットに品格が漂ふこちらは 合わせる人と場所をさほど選ばない優等生
シックな黒やレエスのドレスに、両サイドの玉虫型ビーズが鈍いきらめきを放つことでせふ・・・
こちらはけしの実大の細かいビーズ仕事が美しい 摩天楼の街:ニュウヨークの帽子テイラーのもの…
往時の女性たちは、肩くらいの大きめ巻き髪やシニヨンに結った髪に合わせ 優雅に被っておりました
春の海のさざなみ如く 総スパンコールが穏やかなきらめきを放つこちらもまた 手仕事の細かさを感じます
両サイドから挟むこの手のヘッドドレスは安定感があり、白よりのオーロラ色は服の色を選びません
総スパンコールでもこちらは、夜のとばりに打ち寄せる波間のきらめき とでも申せませふか・・・
紺に近い青一色のスパンコールが室内の間接照明に映え 貴女を妖しく演出してくれることでせふ
トリはこちら、玉虫色に鈍い金の柄織りの生地が何とも珍しいヘッドドレスであります
美しい織りに、あえて余分な装飾を施さないのが潔い 華やかながらも落ち着きのある大人の為の帽子ですね
このやふに見て参りますと、1960年代に実質的に帽子文化が衰退する直前の「風前の灯」と申せませふか、
所謂「古き良き時代」 見方によっては保守的で封建的な時代の幕引きを象徴する最後の大花火が
1950年代における帽子や宝飾品の大隆盛であったやふにも思われます
そんな華やかなりし時代の遺物を 時を経てわたくし達がまた違った感覚で命を吹き込む、、、
混沌とした当世ではありますけれど、往時の感性の息吹が感じられるやふで 夢のあることで御座いますね
Pearl
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No title
どうにもアタマがさみしかったので次回挑戦してみたいです。
短髪で巻き毛等できない身としましては、ヘッドドレスは
つかえそうです。
どれも本当に素敵です。