東京だョ、おっかさん



長かった厳冬もやふやふ終わりに近づくと共に、梅の花を一息に咲かせる春麗らかな陽気の博多の地であります



先だって故郷に帰省の折、父上も用事が重なり不在がちでありましたことから 折角なら何処かへ・・・と、

古都:金沢や京都に続き 母娘二人旅第三弾は、思い切って花の都:帝都へ参ることと相成りました

 

快晴の初春の空にそびえ立つ天下の富士山を横目に 新幹線はひた走り、到着いたしましたるはこちら、、 


1914年に竣工、設計の頑丈さから「辰野堅固」と呼ばれた辰野金吾氏ら設計による東京駅舎であります

博多においては赤煉瓦文化会館等も設計した 云わば往時の「建築界のトップデザイナア」と申せませふ

1945年東京大空襲の際、米軍による焼夷弾で損傷した箇所が復元されたと昨年大々的に報じられてから

母娘共々、一度しかとこの目で拝んでみたいと 念願の場所でもあったので御座います 


東京駅_400


何でも、東京駅舎復元費用の約500億円は JR東日本が「空中権の売買」の裏技によりひねり出したと申しますから

お金といふものは 知恵によって捻出できるものなのだナア、と感心させられると共に

等しく巨額の費用をつぎ込むのならば、このやふに後世に見ても美しいと思える建造物を残してほしいものだ、

等と思いつつ クリームイエローが美しいドオムのレリーフを 首をひねりひねり眺めて居りました 



今でこそ、上のやふに駅舎前の市電などは走って御座いませんし 周辺は摩天楼のネオンに囲まれて居りますが 

日露戦争勝利に沸く 大正初めの開業時の人々の喧騒までもが聴こえるやふな 立派な佇まいでありました 


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帝都生まれの帝都育ちといふ 心強き生粋の江戸っ子であるN姐様に半日ご案内頂き、母娘の旅は始まります

先述の辰野金吾氏の師匠であるジョサイア・コンドルによる 旧三菱銀行跡の三菱一号美術館内カフエ「1894」にて

待ち合わせ、賑々しくお喋りの花が満開に咲いたところで 同じくコンドル設計の「旧岩崎邸庭園」へ、、、



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NHK「竜馬伝」等でもお馴染みの、旧三菱財閥の創始者:岩崎弥太郎の末裔一族が嘗て住んだこの屋敷、

館内は撮影禁止とのことでしたので イスラム様式の趣向を散りばめた柱に 絹に刺繍を施した洋館の天井やら、

長い廊下の天井を一枚板であつらえた書院造の和室やら、贅の限りを尽くされたといふ隅々に至るまで、

脳裏に焼きつけるべく こちらも駅舎に続き 上ばかり首をひねっては眺めて居りました


旧岩崎庭園_400


それに致しましても、往時のお金持ちといふのは当世のそれとは桁やスケエルが違うのでありまして、

以前 「せ・し・ぼん」 といふ戯れ言で 薩摩次郎八翁について触れましたやふに

所得に対する累進課税制度がなかった明治期では 一代で巨万の富を得て財閥を成すことも間々あったとのこと…

とはいへ、金唐革紙の伝統保存・継承にも尽力したといふこの岩崎一族をはじめとしまして

日本の伝統文化に対する思い切った私財の投資といふ粋な心意気は、当世では失われつつあるやふに思われます


戦後のGHQの財閥解体の際の財産接収により、往時の敷地の半分程度が現存するのみとなっておりますが

建築には暗いわたくしが拝見しても十分に見応えのある 華麗なる一族の忘れ形見で御座いました
 




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花の帝都の移動には何と言っても蒸気機関車ならぬ 嘗て「東洋唯一」と謳われし地下鉄が便利ですよ おっかさん

・・・ とばかりに、ある日には山手線に乗りまして ぐるりぐるりと浅草やら上野のアメ横やらを周遊、、、

特に、アメ屋横丁の雑踏の後 チョコレイトやらピイナッツやらの威勢の良いたたき売りの声が消えぬうちに

 数々の唄にうたわれし「憧れの銀座」に瞬く間に着いたのには、どうにも同じ国の光景とは思えませんでした

明治期創業の老舗のビルヂングの立ち並ぶ間には、新興勢力の衣料量販店が軒を連ね 活気に満ちております


「今年の地価は、、」といふニュウスで目にすることも多い 我が国で最も地代のお高き かの銀座和光前にて

銀座美人の艶やかなる後姿に 思わずシャッタアをぱちり、、、


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こちら博多の地は、食べ物にも恵まれ人々も暖かく大変良いところでありますが 

美術関係 ことにわたくしにとって興味のある服飾関係の展示や催しがまだまだ少のう御座いまして、

この度の目的のひとつとして、「よきものに触れること」「本物を見ること」が御座いました



先ずは、個人的に好きな挿絵画家である高畠華宵先生はじめ 竹久夢二先生の作品所蔵の多き「弥生美術館」へ…

両性具有的な色香の漂ふ華宵先生の細かなペン先のタッチに感激しつつ、嘗ての乙女達が夢中になったであらふ

夢二るっくに華宵るっくを見比べたり…等といった愉しみもまた一興 であります
(以下は、所蔵作品であるかどうかは定かでは御座いませんので アシカラズ・・・)


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華宵



最終日には、わたくしがまだまだ修行不足であります古き装飾品の勉強と 目の保養も兼ねまして、

目黒は祐天寺の住宅街に佇む 「アクセサリー・ミュージアム」へ、、、

ヴィクトリアン・アールヌーボー・アールデコ・戦後・アバンギャルド(前衛芸術)…と、

時代に沿った調度品に絵画やらもあわせての展示となっておりまして、私設の美術館とは思えないほどであります


「無理せず、ご自分のぺエスでこつこつ集めるのが何よりの愉しみですね」とご助言下さった女性館長のお言葉に、

先代のお父様から始まった蒐集にかける並々ならぬ苦労と喜びが感じ取られるやふで 胸を打たれる思い・・・
(館内撮影禁止の為、HPよりお写真を拝借致しました)

portfolio3.jpg


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最後は、TV東京「なんでも鑑定団」出演 掛け軸鑑定でも有名な安河内さんもかつて出店されていたといふ、

銀座のアンティークモールを少々ひやかすつもりが 母娘揃って真剣な眼差しで物色… 


とマア、何とも駆け足でお江戸狭し と足を棒にして駆け巡った 二泊三日の旅でありました



花の都:帝都は本当に久方ぶりでありましたけれど、数年前に訪れた際にまして身近に感じられたのは

格安航空会社が出現して手に届く場所になったせいではなくきっと、 

古いものに触れたい・・・といふ思いにより わたくし自身が帝都ににじり寄ったからなのでせふ








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