ロオブ・ノワール ~ポワレからシャネル~



こちら博多の地は昨日より時折みぞれ交じりの雪模様・・・ 

どんよりした雪空 天から舞い落ちる真白い雪を見上げると、どこか荘厳な心持になることは御座いませんか



今宵から三回にわたり、荘厳かつ時に色香も醸す不思議な存在:Robe noir(仏蘭西語で「黒いドレス」)について 

時代時代を牽引した偉大なクチュリエたちと共に ご紹介してゆきたく存じます


初回は~ポワレからシャネル~と題し コルセットから女性たちを解放した二人のクチュリエを取り上げませふ
『世界服飾史』他 参照







1800年代末までの永き時代、西洋の女性たちを縛り付けたのは 男性中心社会である封建時代の慣習と、

腰を必要以上に華奢に見せるためにきつくきつく締められた「コルセット」の存在でありました

マリー・アントワネット妃の頃の異常ともいえる装飾性は薄れたものの、ほんの一世紀近く前迄女性は

優雅なるリボンやレエスに彩られつつ ドレスの内情は文字通り窮屈な思いをしていたのであります


コルセットの締めすぎによる気絶を防ぐ気付け薬を懐に偲ばせ、時に内臓壊すご婦人もいたとか・・・




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1890 corset




さて 時はベル・エポック(「美しき時代」と呼ばれた19世紀末~1914年第一次世界大戦勃発までの25年間)

仏蘭西では巴里中心に百貨店や地下鉄が発達し都市化、人々の生活様式にも活動の自由が求められます



折りしもその頃 日本文化に影響を受け 自然美を謳歌するアール・ヌーヴォー様式が欧州中で大流行・・・


1900年巴里万博で公演し川上貞奴の人気をあやかりゆったりした室内着「キモノ・サダヤッコ」が発売されると

モオドの分野では03年にポール・ポワレが着物風コート、06年にコルセットを使わぬハイウエストドレスを発表

女性たちは室内のみならず外出着でも、人為的歪曲を生むコルセットから開放される悦びを知るのであります!

ギリシアやイスラム様式の流行もあり 1910年代の巴里モオドは摩訶不思議な東洋趣味に溢れていたさふな




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「古代ギリシアのドレスを研究するうちに私はドレスの支えが肩にあることに気が付いた。

私以前の人々にとってはウエストだった」と後にポール・ポワレが語るやふに、

古代ギリシアと同様直線的でゆとりある「キモノ」は、以降のモオド方向性を示すべく革新的変化をもたらします


またポワレはコルセットを捨てるだけでなく、前世紀的な高く結い上げた髪を小さなシニヨンに、

巨大なる帽子をターバンやヘアバンドに変えるなど 新時代の女性のシルエットを創り上げました

「ポワレるっく」に身を包む女性の戸惑う表情の中に 開放感とみなぎる自信が伝わるやふであります!



そんな時代の遺す馨りを、当方にあります品からどうぞ、、、

ビーズ刺繍が気の遠くなるほどあちこちに施された、薄墨色の絹製ドレスであります

腰下のリボンがゆるりと、やはり何処か東洋趣味で キモノを髣髴とさせるすたゐるではないでせふか
詳細はコチラ・・・


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1914年の第一次大戦勃発から29年の世界恐慌間、中産階級の台頭と量産の本格化といふ時代変化を迎え

生活を支えるべく社会進出した女性たちにとって長いスカアトや過剰な装飾は邪魔となり、

物資不足や労働により身体から贅肉がなくなったことも 婦人服をまた新たに変化させるきっかけとなりました


学問し職業婦人となり自由恋愛をする新女性は当時小説にちなみ「ギャルソンヌ(少年のやふな娘)」と呼ばれ、

短髪に目深に被るクロシェ、ゆったりしたローウエスト、直線膝丈ドレスといった活動的すたゐるが流行・・・

一方 洋服の装飾性が取り除かれると対照的に 口紅や白粉の普及等前衛的な女性の化粧は濃くなります

それを先導したのは、ポワレ以降の巴里オートクチュール界を牽引した新しき女:ココ・シャネルでありました


彼女はそれまで下着の素材であったジャアジー素材に眼をつけ 1916年にカジュアルスーツを発表したり

1920年代には 紳士服にヒントを得たカーディガンスーツを発表したりするなど、

以降の女性服の元となる斬新なスーツスタイルの基礎を打ち出すと 巴里オートクチュール界は黄金時代・・・

簡素で模倣しやすい20年代モオドは瞬く間に世界中でコピーされ、巴里はモオドを生み出す発信基地となります

25年巴里で催された「現代装飾工業美術国際展覧会(アール・デコ展)」により時代は都会的趣向を好むやふに

古代エジプトやアフリカ、日本美術をモダンに昇華させたエキゾチックなすたゐるが人々を熱狂させました



「私は流行を作っているのではない。スタイルをつくっているの」
「みんな私の着ているものを見て笑ったわ。でもそれが私の成功の鍵。みんなと同じ格好をしなかったからよ」

数多い彼女の名言から、今でもシャネルスタイルが生きているのは 単に話題性から奇をてらった訳でなく 

当時女性の置かれた背景を敏感につかみ 自身の生き方そのものから発信されたすたゐるなればでせふ




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Women in the 1920s


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そんな狂乱の20年代のムウドを伝えるのがこちら、

筒状のラインにデコ的なカットの切り替えがまさに新時代、装飾は胸元のみといふのが潔いドレスであります
フラッパードレスの詳細はコチラ・・・





どんな時代にあっても存在したのがRobe noir(黒いドレス)であり、

同じ色を基調としていても 合わせ鏡の如く映し出される世相により、その表情は全く異なっておりました



次回はシャネルと同時代 違った手法で新時代の女性像を紡ぎ出したマドレイヌ・ヴィオネ女史にスポットを・・・

第二次大戦前夜 激動の波をこえてゆかんとする女性たちのRobe noirをご紹介したく思います





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