世紀末の戯れ



草茂り、花燃ゆる季節 間近、、、

春を想い、今宵は自然美が産んだ世紀末の椿事:アール・ヌーヴォーに目を向けませふ



アール・ヌーヴォーとはその名の通り、art nouveau つまり仏語でいう新芸術でありますが

やれガレだのドームだの、当世では純然たる正統派芸術として確固たる地位を築くヌーヴォー、

実はほんの数十年前までは、ヌーイ(うどん)様式や 悪趣味の極み等と揶揄され 

長く忘却の彼方にあったことをご存知でせふか!?


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妖しげで胡散臭く 退廃的な馨りを漂わせた19世紀末の巴里、それは生まれます…


ちょうど2000年間近 ハルマゲドンやらの終末思想が世界を不安に陥れたと同様、

20世紀到来を前に、人々は開放感を謳歌しつつも未知なる時代への不安を内包していました


江戸後期~明治期 我が国が欧州に多大なる影響を与えたジャポニスムの余波をうけつつ

アーツ・アンド・クラフツ運動に端を発する「生活と芸術の一致」といった概念にもとづいた、

動植物などの自然をモティーフとした自由曲線 非対称で従来の様式に囚われない装飾性…

自然をモティーフとしながらも 鉄やガラスなど最先端素材を用い表現されるといふ、

この、なんとも奇妙でグネグネしたお化けのやふな芸術様式は一世を風靡します



一方で、職人の手工芸によるアール・ヌーヴォーの装飾美術工芸品の購買層は所詮、

貴族やブルジョワの資産階級に限定され、「生活と芸術の一致」の大衆化は遠のきました



第一次大戦を期に 装飾性を否定する低コストで合理的なモダンデザインが普及するようになると

単純な直線を主とし量産可能な大衆芸術:アール・デコへと人々の関心は移ろい…

世紀末の金持ちの古めかしい戯れだ、として アール・ヌーヴォーは過去のものとなったワケです



しかし、1960年代 アール・ヌーヴォーのリバイバルブウムによる再評価が突如起きて以降、

それまで骨董市で見向きもされなかった作品群の価格はうなぎ登り、、  今日に至ります



そんなアール・ヌーヴォー もしくはその余波を受けた、小さき装飾品をご紹介致しませふ…

小さいとはいへ、閉じ込められた不可思議な世界観は何処までも広く… めまいにご用心


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ツバメや宿り木は、アール・ヌーヴォーを構成するジャポニスムを代表するモティーフ
自然ののびやかさの中に、どこかほの暗さ漂う… ツウ好みなブローチであります
ツバメのブローチの詳細はコチラ…
宿り木ブローチの詳細はコチラ…



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水牛の角:カゼインもこの時代らしい素材、浮世絵のやふな趣の鳥ブローチ
下は、見事な写実性がどこか儚さも感じさせる… ヌーヴォーの代名詞:トンボ
トンボブローチの詳細はコチラ…



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これぞヌーヴォー!圧巻の存在感を放つ 刀のつばを思わせるブローチ
上は、連続する草花文様の細工が凝った ハットピンであります
ブローチの詳細はコチラ…



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1940~50年代は、ヌーヴォー再興の前兆とは言わぬまでも 異国趣味が持て囃された時代
勾玉や櫛の形状を模した愉快なブローチは、戦後の亜米利加の余裕を感じさせます



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ヌーヴォー様式が再評価された1970年代頃の 貝に彫りを入れた艶っぽい花ブローチ
東洋趣味が盛んだった1940年代頃の魚ブローチは、鱗までが妖しくみずみずしい





「古いものと新しいもの、合理的なものと非合理的なもの、
愉しげな花咲く乙女たちのような面と植物の奇怪な暗い面、
自然へのさわやかな感受性と悪趣味の世界、
子供の無邪気な遊びの世界と世紀末のデカダンスの欲望、

アール・ヌーヴォーは常に二つの顔をもっている」
(海野 弘著『流行の神話』より抜粋)




世紀末に束の間の増殖を見せた 何ともあやうく豪奢でデカダンスなつる植物…

そんなアール・ヌーヴォーに、わたくしの心は無意識下で既に侵食されているやふです



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