モオドのB面



郷里へ暫し里帰り、戻りましたら一転して博多は秋本番、、、

「国境の長いトンネルを抜けると、雪国だった」、
川端康成の『雪国』冒頭のやふに、何処か非現実的な季節の移ろいです



そういったワケで、当方の店内も随分と暖かい洋服たちが増えて参りました

この季節同様 今では非現実的に思えるモノをそれを産んだ流行・背景とともに、

今宵は 皆様をチョイト不思議世界へとご招待致しませふ



◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇



「流行の不思議」といえば ありとあらゆるものが一瞬で浮かんでは消えますが、

昨今さほど気にもしていなかった通年のコレクションランウェイにおいて、 

個人的に久々度肝を抜かれたメゾン・・・ アレッサンドロ・ミケーレによる新生GUCCI



2016春夏コレクションで彼の打ち出したキーワードは「シチュアシオニスト」・・・
1950~70年代、大量消費や都市計画への反発を根源とする欧州の思想とのこと
彼のメッセージはスパン装飾など手の込んだ服へと姿を変え、無言で訴えかけます


1920年代より、元来馬具の製造を得意としてきた老舗の重い看板をしょいながらも、

古いもの好きな方ならばいつかどこかで見たやふな、でもどこにもないやふな・・・

単なる懐古趣味に留まらない、挑発的な反骨精神と斬新さに「今」を感じるものでした



現代と過去、西洋と東洋、現実と夢が交錯したやふなキャンペーンフィルム、
バンドマンと彼らの取り巻き:グルーピーを描いた『あの頃ペニーレインと』を髣髴とさせて





モオド界と政治的背景とは、レコードの裏表のやふに 切っても切り離せないもの

ご紹介する70年代の遺したモノたちには、どんなB面が刻まれていますでせふか…

それにしても、70年代といふ怪物は トンでもないモノを産むエネルギーに満ちています!



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戦後生まれの方々は、「ちょうちん袖」と呼ぶであらふ、極端なパフ&バルーン袖!
上下ともに東欧の伝統的民族衣装、ここまで形状や刺繍の凝ったカーディガンは珍品
手編みのベレエ帽にも大輪の薔薇ふたつ、素朴な東欧の手仕事を重ね合わせて・・・


◆チロリアンクレーズ(チロル狂)◆
1930年代半ば、他民族文化に興味関心が寄せられる中 突如起こった流行・・・
銀幕の女優達もこぞってチロリアン衣装を着、仮装パーティに興ずる等、
欧州の小国:東欧諸国の民族衣装が世に広く知れ渡るきっかけとなった
30年代末にはナチスによるオーストリア占領はじめ、排他的空気が世界に蔓延
のちの70年代、平和を願うヒッピー達の象徴として刺繍ブラウスは再登場する



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我が国でニットの女王と言えば、ある年齢以上の方は「斎藤都世子」を挙げるでせふ
初期作品のこちらは、代名詞であるラメを織り込んだグラデーション糸煌く一枚
「女性でも手に職を」といふ彼女の思いも、職工により編み込まれております


◆斎藤都世子◆
第二次大戦後の女性の働く場所が少ない時代、手に職を付ける目的で編物教室を創設…
その後、そのニットを女性の手で販売する目的で(株)みやこ編物を設立した
独自の糸を製造、一人のニッターが一つの作品を心を込めて製作する手法を受け継ぐ
いかに長く、着心地良く着用できるかを考え日本人女性体型に合った独自のニット製品は、
使い捨ての世の中、飽きの来ない・傷みにくい・後でお直しが出来るものをという理念を反映
(株)みやこ編物 公式HPより一部抜粋



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70年代を代表するモティーフのひとつが”蝶々”…東洋の馨りがする神秘的な存在
絹地にびっしり縫い付けられたスパンコールの蝶々がアール・デコの再来を匂わせて…
フランスがインドの手工業の技術力・労働力を生かし、作らせていた頃のもの


◆インドの手工業◆
古くはモスリン、キャラコ、ショールといった繊維製品の輸出をはじめ、
英国を主とした西洋諸国のいわば「下請け」的存在に長く甘んじてきたインド・・・
それも、綿花の主要栽培地であったことと、絹刺繍や更紗染めをはじめとした、
独立前のインド手工業の高い技術力、安価な労働力を買われたことが背景にある





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かつては時代遅れの悪趣味とされたアール・ヌーヴォーやデコが、時を経て再評価されたのも、

西洋・東洋が融合した新芸術であり、どちらか片方では産まれない美意識が人々を魅了したこと

そして、なにより 影で下支えした 多くの名もなき職工さんたちの汗と高き技術力があったこと・・・
それは、めまぐるしい時代に生きるわたくし達がつい 忘れがちなB面的存在でもあります



「私はファッション(流行)を作っているのではない、スタイルを創っているのよ」
ココ・シャネル女史の名言が、胸に去来する今日この頃


サアテ、 あなたが選ぶのは・・・・ ???




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